世田谷区の成城学園中学校高等学校の道徳の授業の一環として、コミュニケーションのワークショップを行いました。
世田谷区の成城学園中学校高等学校にて、中学2年生の道徳の授業の一環として、240人の生徒さんとコミュニケーションのワークショップを行いました。
まずは「ハート呼吸」からスタート。目を閉じて自分の胸に手を当て、5回深く深呼吸。自分が好きなことや好きな人など、自分をプラスに導いてくれることを思い浮かべます。ハート呼吸を実践することで、心がプラスの気持ちでいっぱいになる感覚をつかんでもらいました。中には、「心臓の位置や鼓動を意識するなんて初めて」という生徒さんも。
続いては、「共感を与える」「共感を受け取る」セッション。2人1組になってもらい、過去に経験したイヤだったことについて、
・「そのときの自分の気持ち」
・「何を大切にしたいから、そんな気持ちになったのか」
・「そのときの相手の気持ち」
・「相手は何を大切にしたいから、そんな気持ちになったのか」
・「今からやってみたいことは?」
など、感情のリスト、ニーズのリストから選びながら、「自分の本当の望み」「相手の本当の望み」「望ましい状態になるためにできること」を考えていきます。
経験を振り返りながら、共感力を高めるというのは、大人でも難しいこと。
生徒さんたちは考えながら、
「やろうとしたときに『勉強しなさい』とお母さんに言われて“イライラ”した」
「とても疲れていたから“休息”を大切にしたかったのに」
「お母さんは“心配”していて“安心”がほしかったんだと思う」
「これからは、勉強するときはお母さんの目に入るところでやり、“安心”を与えてあげたい」
といったように、感情やニーズにフォーカスを当て、どうすればいい状態になれるのか、具体策を考えることができました。
また、2人1組でセッションしたことで、自分とは違う感じ方や考え方を相手がすることに驚きを覚えた子も。
「そういうときに、悲しくなるんだ」
「ええ? そのままお母さんに言えばいいんじゃない?」
など、気づきを共有しながらセッションを進めていく様子があちこちで見られました。
感想を聞いてみると、
「たとえ自分はイライラしても、相手の気持ちを想像しながら発言しなきゃ」
「自分は怒っていると思っていたけど、振り返って考えてみると、悲しかったと気づいた」
「相手の気持ちはわからないから、話をよく聞くことが大事だとわかった」
といった声が。
最後に、混同しやすいけれど「同調」や「同情」は「共感」ではないこと。相手の気持ちを想像することも大事だけど、その前に自分の感情とニーズをすくい上げることを大事にしてほしいことをお伝えしまし、授業を終えました。限られた時間の中ではありましたが、感情とニーズにフォーカスすれば、共感力が高まることを知るきっかけになれたようです。

